1年通じて快適に暮らせるような気密・断熱性、自然素材といった要望に対し、同社から提案されたのは、蒔ストーブを据えた土間を中心にした間取り。「食事と団らんの時間を分けたい」という夫妻の思いを反映して土間の北にはダイニングキッチン、南にはリビングが振り分けられ、東側の通路で結んでいる。リビングにはロフト、その下段には収納や子どもたちの遊び場に、ロフトには畳が敷かれ、格好の昼寝の場所に。ロフトから数段はしごを上れば2階の納戸に続く。納戸を通り抜ければ子ども室。子ども室へはリビングから普通に階段で上がることもでき
キッチン脇の二つの水槽は私の趣味で、置き場を用意してもらいました。表からはきれいな部分だけ楽しめ、その裏側となる洗面台の鏡は、実は扉になっています。開けると水槽置き場に。そこから水槽の掃除もできるのでメンテナンスがとっても楽です。
柔軟な設計は当社の特徴のひとつ。施主様の意向を汲み取り、デザインに反映する。照明の配線を施した化粧梁を設置。梁にツタを絡める演出も想定されている。
構造:木造軸組
いい家とは
そこに住む人が
「安心で快適に永く満足感を持ち続け、笑顔の絶えない健康的な空間」であると感じることができればよいと考えます。
私たちが提案していることは、建物自体というよりも、近ごろ日本人が忘れかけている、光や風や緑といった、自然の近くでそれらを心地よく感じていただける暮らし方です。
耐熱性・断熱性・保証制度等、ひとつひとつは非常に重要なことで、どれも高い水準で満たしていることは現代の住まいでは大前提です。それに加えて、地域の風土に合った、何よりも住まい手の感性に合った家を設計する力が創り手にあるかどうかが、「いい家」と感じていただけるための大きな要素だと考えます。
いい家プロジェクトを通して、家づくりに対する考え方が「人間らしく暮らす」という方向に少しでもシフトしていただければ幸いです。
周囲からの視線を遮りながら、
ガルバリウム鋼板の外壁などで
シャープな印象を漂わせる外観。
リビングでは床に座ってくつろぐ。
子どもたちも本を読んだり、
お絵描きができる場所に。
キッチン横のダイニングは
カフェ風の仕上がりに。
北側のテラスにも出られるのが
嬉しいポイント。
2階の子ども室は
ホールと一体になったオープンなつくりに。
将来、2部屋に分割することもできるように。