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机上の空論にさせない!GX住宅で気を付けたいポイント
2025年05月27日
地球環境に配慮しながら、家計にも優しい住まいを実現する――。
そんな理想に向けて、国が掲げた「GX(グリーントランスフォーメーション)住宅」は、住宅業界において大きな注目を集めています。
GX住宅とは、カーボンニュートラル社会の実現に向け、断熱性能や省エネルギー性能などの一定基準を満たす住宅に対して補助金を交付し、次世代の標準となる家づくりを後押しする制度です。
まじめに高性能住宅を追求してきた工務店や設計士にとっては、これまでの取り組みがようやく評価され、社会に広く浸透していくチャンスでもあります。 しかし一方で、表面的な要件だけを満たし、肝心の居住性や住まい手の満足度が伴わない“机上のGX住宅”が生まれてしまう懸念もあります。
今回は、そうした後悔を防ぐために、GX住宅を検討する際に知っておきたいポイントを解説していきます。

GX住宅とは何か?
GX住宅は、住宅の高断熱化と再生可能エネルギー活用を軸に、エネルギー収支ゼロ(ZEH)に近い住まいを普及させることを目的とした制度です。
一定の基準(例:断熱等級6以上、一次エネルギー消費量の削減率など)を満たした住宅には、160万円超の補助金が交付される場合もあり、家づくりにおいては無視できない制度となっています。
ポイント1:補助金目当ての住宅に注意
本来の目的は「高性能で快適な住宅の普及」。しかし、中にはこの補助金を目的として、最低限の基準だけを形だけ満たした住宅を提供する事業者も存在します。
たとえば、断熱等性能等級6に該当する材料を使ってはいるものの、施工精度が低く実際の気密性が悪かったり、パッシブ設計の考慮がないために日射取得や遮蔽の工夫がなされておらず、冷暖房負荷が大きくなってしまうようなケースもあります。
数値をクリアすること自体は大切ですが、「その数値が、実際の暮らしにどう影響するのか?」を説明できる住宅会社であるかどうかを見極める必要があります。
ポイント2:図面上の数値では見えない“実際の快適性”
UA値、C値、ηAC値…最近では住宅性能の指標として、こうした数値を重視する方も増えてきました。 しかし、住まいの快適性はそれだけで語れるものではありません。
例えば高断熱であっても、窓の配置が悪ければ冬場に日射熱をうまく取り入れられず、結局エアコン頼みの生活になってしまうことも。
また、気密測定を現場で実施しているかどうか、断熱材の隙間処理やサッシの選定など、目に見えない部分に対してどれだけ真剣に取り組んでいるかも重要なポイントです。
つまり、数字よりも「実際にその家で暮らしている人がどう感じているか」を聞くことのほうが、よほど信頼性が高いと言えるかもしれません。
ポイント3:パッシブ設計の視点があるか
パッシブ設計とは、自然のエネルギー(太陽の光や風など)をうまく取り入れて、できるだけ機械に頼らず快適な室内環境をつくる考え方です。
たとえば、冬の日射をたっぷり取り込む南向きの大開口や、夏の直射日光を遮る深い軒、風の通り道を考えた窓の配置など、設計段階での工夫が大きく影響します。
これが無いまま、数値的な性能だけで“高性能住宅”を名乗っている家は、いわば「ガソリン車に太陽光パネルを乗せたようなもの」。
補助金が出るからといって、パッシブ設計のないGX住宅を選ぶと、長期的には電気代や快適性において後悔する可能性も。
ポイント4:住んでからの光熱費シミュレーション
GX住宅の多くは、高断熱+再エネ(太陽光発電)の組み合わせを前提にしています。 つまり、「どれくらいのエネルギーを使って、どれくらい自家消費できるか」が非常に重要な視点になります。
住まいの使い方によっては、せっかく太陽光を載せても自家消費できず、売電価格が安いため思ったより得を感じられない…という声もあります。
シミュレーションの際は、
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家族構成や在宅時間
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冷暖房の使い方
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オール電化の導入有無
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蓄電池の有無 なども踏まえて検討してもらいましょう。
ポイント5:施工の質と、信頼できるパートナー選び
最後に最も大切なのは、「誰と家づくりをするか」です。
どれだけ制度や性能が良くても、それを誠実に形にしてくれる施工会社や設計士でなければ、机上の空論に終わってしまいます。
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現場での気密測定を毎棟実施しているか
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丁寧な断熱・気密施工のノウハウがあるか
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実際に建てた方の声を開示しているか
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営業トークだけでなく設計や現場担当が説明してくれるか
こういった点を確認することで、本当に信頼できるパートナーかどうかが見えてきます。
まとめ:GX住宅は、目的ではなく「手段」

GX住宅は、カーボンニュートラルな社会を目指すための大切な取り組みであり、制度自体には大きな意義があります。
ただし、それはあくまで「手段」であって、「快適で、安心して長く暮らせる家づくり」が本来の目的であることを忘れてはいけません。
補助金の有無や制度の条件に振り回されることなく、家族の今と未来を見据えた家づくりを考えることこそが、後悔しない選択につながります。
机上のGX住宅ではなく、“暮らしに根ざしたGX住宅”を実現するために。 制度をうまく活用しつつ、あなたにとって本当に価値ある家づくりを選んでください。
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