私たちが提案する住宅は、決して難しい住宅ではありません。そう、言うなれば昔ながらの基本を押さえた住宅。夏の日差しを遮る大きな庇がある。風が通う。雨の日でも窓が開けられる。冬はできる限り寒くないように。こういった至極本能的な要求をそのまま実現することを土台に、「北陸での住宅のあり方とはどんなものか」をテーマにできたパッシブ住宅、それが癒風生家(いふうせいか)です。
土・石・紙・木といった伝統的な材料とアルミ・ガラス・鉄・ガルバニウムのような無機質な材料を巧みに組み合わせる。空間に切れのよさを生む手作りの造作建具。住まいの息遣いを感じさせる壁の漆喰。何よりの休み時間をくれる有機無農薬のい草の畳。セピア色の思い出を残す梁材が、家具となってまた毎日をともに暮らす。二人で歩いたあの桟橋と同じイペ材のウッドデッキで過ごす月夜。明るさを持った風合いの桜やチークの床材は、気持ちの温度を少し上げてくれる。
これらはそれぞれが癒風生家(いふうせいか)を構成する大切な仕組みの一例です。
私たちはまずあなたの人生の中で培われた潜在する要望を、あなたやご家族との会話の中から一つ一つ探り出し、あなたのご家族のためだけのコンセプトを提案いたします。そこにはまたいくつもの仕組みが生まれ、そしてそれを一つ一つ積み上げ、具現化する。空気がいくつかの工夫で水になるように、「家族の末永い幸せ」という願いの本質を変えないまま、ご要望を目に見えるものへと変換していきます。
私は出来上がった設計図面を見るとき、まるで清らかで美しい水面に佇んだような気持ちになります。実際お客様の大切な資産であり、私たちにとってもただの紙とはいえない重みのあるものです。水が幾つもの命を育む源であるように、図面を前にするとお客様の夢を育む準備が整ったと、一層強い力が湧き上がってくるからです。これは私だけではなく、共に住まいを作る棟梁衆も同じ思いです。そしてその思いを彼らは持てる技術に託し、表現していきます。
住まいの完成は建物の完成時ではなく、そこに暮らし、年月を重ねていくことで少しずつ完成へと近づいていくと考えています。当然、私たちのお客様の夢への思いも続いていきます。ただまっすぐに、ひたすらに。私たちも癒風生家を支える仕組みの一つです。
私たちは本物の住まいを一作一作、丁寧につくりあげる建築集団です。