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吹き抜けは寒い?高い?後悔しないための家づくりポイント
2025年09月18日
「家づくりをするなら吹き抜けをつけたい!」
そんな憧れをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
けれど同時に、
- 吹き抜けは寒いのでは?
- 光熱費や建築費が高くなるのでは?
と不安に思う方も少なくありません。実際に「吹き抜けをふさぎたい」というご相談も耳にします。
この記事では、吹き抜けがなぜ寒く感じるのか、光熱費や建築コストへの影響、そして後悔しないためのポイントをわかりやすく解説します。
吹き抜けが寒くなる理由とは?
吹き抜けで「寒い」と言われる一番の理由は、空気の性質です。
- 暖かい空気は上に上がり
- 冷たい空気は下に降りる
このため、1階で暖房しても熱は2階へ抜け、代わりに冷気がリビングに下りてきます。
さらに、気密が弱い家では隙間から入った冷気が吹き抜けや階段を伝って流れ込み、寒さを強めてしまいます。
たとえ断熱等級6や7といった高断熱住宅でも、気密性能が不足していれば十分な効果を発揮できません。
換気方式による違い
吹き抜けのある家では、換気方式も快適性に直結します。
- 第3種換気:外気がそのまま入るため、吹き抜けを通じて冷気がリビングに下りやすい傾向があります。
- 第1種換気(熱交換換気):室温を保ちながら換気できるため、寒さを抑えやすく吹き抜けとの相性が良い方式です。
ただし、第3種換気でも窓・断熱・気密性能が十分であれば快適に過ごせるケースもあります。大切なのは設計全体のバランスです。
光熱費はどれくらい上がる?
吹き抜けがあると、空気の総量(気積)が増えるため冷暖房効率はどうしても落ちます。
安藤建築事務所での試算では、吹き抜けがある場合、年間の光熱費が2〜5万円ほど増加しました。
ただし、家の大きさや吹き抜けの規模によって幅があります。
さらに注意すべきは「窓」からの冷気です。
- トリプルガラスでも壁の断熱性能の1/2〜1/3程度しかない
- 窓際から冷気が流れる「コールドドラフト」で体感温度が下がる
特に北陸のように冬の日射取得が難しい地域では、窓の配置と性能選びが重要になります。
建築コストはどう変わる?
吹き抜けは光熱費だけでなく、建築費にも影響します。
- 全面吹き抜け:床を設けない分、その面積の建築費が追加になります。
- 勾配天井タイプ:大きな構造コスト増はありませんが、梁のサイズアップや仕上げ材の増加で多少プラスになります。
「見た目の開放感」と「イニシャルコスト」のバランスを考えることが大切です。
後悔しない吹き抜けにするために
吹き抜けは憧れだけで計画すると「寒い・高い」で後悔する可能性があります。
しかし、次のポイントをしっかり押さえれば、快適に暮らすことが可能です。
- 高断熱・高気密をしっかり確保する
- 換気方式を適切に選ぶ
- 窓の性能と配置を吟味する
これらを踏まえたうえで計画すれば、吹き抜けの開放感と快適性を両立させることができます。
まとめ
吹き抜けは「寒い・高い」というデメリットが語られがちですが、性能と設備をしっかり吟味すれば快適に暮らせる空間になります。
憧れを憧れのままで終わらせず、正しい知識と工夫で理想の吹き抜け空間を実現しましょう。
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