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小さな家づくりにおける「ファミリークローク」のすすめ

2025年09月24日

小さな家を計画するうえで、とても重要になるのが収納計画です。
大きな家でも小さな家でも、住む家族の持ち物の量はそう大きく変わりません。
したがって「小さな家だから収納を減らす」という考え方は成り立ちません。

安藤建築事務所では、各居室にそれぞれの収納を設けるのではなく、
一か所に大きなファミリークローク(以下ファミクロ)を設けることで、
家事動線を効率化しながら収納量を確保し、家全体をコンパクトにしています。


収納をまとめると家がコンパクトになる理由

収納には「収納そのものの面積」に加え、「出し入れするためのスペース」が必要です。
たとえば子供部屋の場合、ベッドや勉強机を置いたうえで、クローゼットとその前の通路も確保しなければなりません。

  • 一般的な子供部屋:4.5畳 + クローゼット0.75〜1畳
  • 2部屋で約9畳が必要
  • クローゼット前の通路により机の大きさなどに制約が生じる

一方で収納を一か所にまとめれば、この「前スペース」が不要になります。
結果として、同じ使い勝手を保ちながら部屋を小さく設計できるのです。

  • 通常:子供部屋 4.5畳 × 2部屋 = 9畳
  • 収納を外に出す:4畳 × 2部屋 = 8畳(1畳削減)
  • 最小化プラン:3畳 × 2部屋 = 6畳(3畳削減)

ファミクロ × サンルームで広がる家事メリット

ファミクロをサンルームに隣接させると、さらに大きな効果が生まれます。

  • 「洗う → 干す → しまう」が一直線に
     洗濯物を干したあと、そのまま隣のファミクロへ片づけられるため、
     家中を行ったり来たりする手間がなくなります。
     日々の家事時間を大幅に削減できます。
  • 衣替えが不要になる
     各居室に分散収納していると、季節ごとに洋服を入れ替える必要があります。
     ファミクロならすべて一か所にまとまっているため、
     季節ごとに出し入れする作業そのものが不要になります。

浮いたスペースをどう使うか

最近では「子供部屋や寝室は寝るだけ」と割り切って使う方も多く、
浮いたスペースをそのまま削減して建物をコンパクトにしても良いですし、
一部を再び収納に充てて、より余裕のある収納計画にすることも可能です。


小さな家だからこそ「収納を賢く」

「小さな家=狭い」のではなく、
工夫次第で無駄を削りつつ、収納量を最大化できるのです。

収納を一か所に集約し、さらにサンルームとつなげることで、
動線・収納力・家事効率をすべて最適化した家づくりを実現します。

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